釜揚げに卵 @山越

 4カ月ほど前の新聞に、「釜揚げに卵」のおじさんが載っていました。
 讃岐うどん最大のヒットメニューを考案した伝説のおじさん。

 井手上恵蔵 61歳。
 それは今から30年も昔の話。

 当時はまだ田舎の製麺所の一つでしかなかった「山越」に毎日通う「綾上町(当時)の職員」がいた。
 うどん好きの彼は毎日、釜からうどんが揚がる時間になると現れた。

 まだ「山越」は、製麺所主体で立ち食い客のためにようやくテーブルを用意したばかりという時代。
 釜揚げ麺に持参した卵を溶いてまぶし、同じく持参の天かすを加え、醤油をかけて調味料で仕上げる食べ方は珍しかった。

 舌鼓を打つ彼に「山越」の山越芳信さん(72歳)が「そんなにおいしんな?」と声をかけると、「まあ食べてんまい」と逆に勧められたのが始まり。
 この食べ方が人づてに広まって「釜揚げに卵」客が急増した。

 接客係の山越芳信さんの妻紀枝さん(66歳)が、注文を何度も口にするうちに言葉がつづまり、ついにメニュー「釜玉」が完成。
 そこから先の大ブーム。
 高速道1,000円時代には「1日7,000玉」神話まで生まれた。

 今も注文の6割以上は「釜玉」。
 平日でもお昼前から長蛇の列という人気ぶりも相変わらず。
 釜玉メニューは全国各地のうどん店に広まった。

 井手上恵蔵さんは昨年退職して現在は、讃岐もち麦のうどん粉とうどんの販売を事業の中心とする「綾川もち麦研究会」代表。
 今までは「公務員だから」と取材を断ってきたので、マスコミ登場は今回が初めて。

 うどん評論家で四国学院大学教授の田尾和俊さんは「釜玉は讃岐うどんを全国版に押し上げた金字塔メニュー。今まで駐在のお巡りさん説が有力でした。表彰状を差し上げたい」と話す。


 で、「釜玉」ですが、普通うどん店では私は注文しない。
 注文するのがお店に申し訳ないからだ。
 既に玉に取ったのがあるんだからそれを食えば十分でしょう。

 とはいいながら、「山越」に行ったら礼儀として「釜玉」を頼んでしまう。
 そして、「山越」の出汁醤油をかけて自分の馬鹿さ加減に腹が立ってしまう。
 こんな不味い出汁醤油をかけてしまうなんて、なんて学習能力のない男なんだ・・・。





 山越
 http://www.yamagoeudon.com/

 綾川もち麦研究会
 http://www.mochimugi.net/